作業着:おしゃれに 女性の感覚にフィット

 

実用本位な男性用のイメージが強い作業着が様変わりしている。建設現場などで働く女性の増加に伴い、女性が着やすく、おしゃれなユニホームが増えているのだ。著名デザイナーによるファッショナブルなデザインもあり、女性の働く気持ちをサポートしている。【柴田真理子】

 軽く組み立てが簡易な鉄筋コンクリート建物工法で知られる「ロングホーム」(北海道江別市)はこの春、女性建設作業員のために、鮮やかなピンクのユニホームを独自に作り、導入した。

デザインはウエディングドレスで知られる桂由美さん。社長の早川義行さんが、同社で働く5人の女性のためにと依頼し、桂さんも「女性の活躍を後押しできるなら」と快諾したという。製造はユニホームメーカーの「トンボ」(岡山市)が請け負った。

 男性のようなつなぎではなく、上着とパンツに分かれた着やすいデザイン。表地は汚れがつきにくいポリエステル、裏は肌触りのよい綿を使った。作業員の梶谷万里巴さん(23)は「これまでは男性用を着ていたが、肩がずれ落ちて不便だった。色もかわいい」と喜ぶ。

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「従来の作業服は男性向けに作られてきた。だが、運送業や建設現場にも女性が進出したことで変わってきた」と話すのは、ユニホームの製造、仕入れ販売を行う「ジャルユニホーム」(埼玉県川口市)インターネット事業部の渡辺真由さん。

 同社の通信販売サイト「女性用ウエア&作業服」コーナーは、05年の開設当初に比べ、取り扱い商品数が倍増。「実際に働く20〜30代の女性の目線に立って選ぶ企業が増えた」と渡辺さん。色やサイズのバリエーションが増え、女性の体に合わせたパターンを採用したデザインも豊富になったという。

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 認知症の両親を介護した経験をいかし、介護現場の作業着をデザインしたのは、ファッションデザイナーの横森美奈子さん。医療用ユニホーム「ナガイレーベン」(東京都)の依頼で、介護服ブランド「ケア☆クルー」を手がけた。

 ボーダーのポロシャツやチノパンツ、ブレザーと、街着にしても違和感のないデザイン。色も黒や茶などシックにまとめた。「高齢化で介護の仕事はますます重要になる。若い人のセンスに合うユニホームがあれば、より楽しくプライドを持って働けるのでは」と話す。

毎日新聞 2007年4月9日 東京朝刊

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